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「友情とお金は切り離せない」?! |
毎日一緒に海辺で遊ぶミタイの孫アンチョと夢さん |
●現金をあげる「友情」●
サモアでは外国に出稼ぎに行く人が多い。村に帰ってくると、何かの折々に、そのお金を友人たちに分け与える。そして、そういう人は、「レレイ!」(いい人間だ!)と讃えられて、友人たちも畑から食べ物を持ってきたりファラの葉でマットを編んで贈ったりしてその恩義に報いる。 「友情とお金はからませない」「お金=ビジネスライク」というのが日本の一般の常識だ。その感覚とは全く違う価値観が、そこにはあった。ここではお金はなかなか持てないもの。とてもありがたいもの。だから、お金のプレゼントは、とっても特別で素敵な、深い友愛を示すものなのだ。 ●お隣のミタイ● フェアばあちゃんのお隣さんのミタイおばさん(「見たい!」と覚えた)は、よく夢さんの世話をしてくれた。私が町に出かける時なんかすっかりおまかせだ。ごはん、着替え、お昼寝…子だくさんのサモア人には人の子一人の世話なんてお手の物。そして一緒に夕食を作ってくれ、私の行きたい所に連れてってくれる。そんなミタイの家族が必要としてもなかなか買えない塩・砂糖・食料を町に行く度に少し買い物して帰るのが、私の自然な習慣になっていった。 ある時ミタイは「子供たちの学校のお金がない」と、私から20タラ(800円)借りていった。日本ではお金に関してはきっちりしないと気がすまない私。でもこのサモアの習慣を見聞きして、ここの金銭相場も分かってきた頃だった。「20タラなら妥当だ。日頃の感謝に、もらってもらおう。」自然とそう思えた。サモアの習慣が、お金には細かい私の感覚を変えたのだ。(注:バリやネパール、他アジアなど日本人の多い国の街中では日本人とみるとあけすけにたかる人も多いので、この話を単純にどこにでもあてはめないでちょうだいね。) この国での3ヶ月が終わってサモアを去るときにも、ミタイは私のバックパックをかついで町まで一緒に来てくれた。別れる時、ミタイは目を真っ赤にして泣いていた。ミタイに抱かれていた夢さんをこちらに抱き移す時、夢さんは突然、エェーン、と心細そうに泣いた。あぁ、1歳ながら、これがミタイとの別れだと気づいてるんだ…。そう感じた。 |
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伝統のシアポー(木の皮の布)をまとってみせるミタイの息子ユリキと夢さん |
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サルワファタ村5 知らない人の膝に乗るのがサモアのバス |
● ⇒サモアってどこ? |
大切なあとがき |
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体験1 | 体験2 | 体験3 | |
うっま〜い石焼、 「ウム」料理 |
チャチャっと編む ヤシの葉のかご |
木の皮の布、 「シアポー」づくり |
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