ー海ー 魂の源 

  トップページの写真はナツと夢が世話になったマセリナの家のまん前にある公共の日よけ小屋。サモアン・ファレ(サモア伝統の家の造り)には種類があって、こんな風にまんまるな形の小屋は「ファレ・テレ」という。

  私は毎日、マセリナの弟妻ティネイと一緒にする家事の合間をぬってはここで海をながめた。日本では、日々、ビデオや音楽や、本、雑誌…そんなもので気分転換をはかる。でもここでは、3ヶ月間そういうものが全く欲しいと思わなかった。

  視界もはみ出さんばかりに広がる、この世のものとも思えない鮮やかな青色の海。
刻一刻とさまざまな表情を見せる真っ白な波。
高く躍る迫力の波の泡。
深い群青、明るい蒼、真っ白い泡…、じっと見てると海のどこをとっても同じ色、形のところはない。
この自然の微精緻な美しさに圧倒され、引き込まれる。
そして、24時間カラダにしみ込んでくる「ざざざざあーん」の透明で優しい音。

 私は、毎日、ただ毎日、海に見入って、海を感じて、生きていることの恍惚感にひたった。

 
  ここの子供たちはオモチャを持っていない。ゲームもない。食べるのでぎりぎりで、毎日毎日おなかをすかせては、ひたすらタロイモにむしゃぶりつく。

  ただ、…カラダとココロを震撼させる驚異的に美しい風景の中で生きている。その美しい世界はまさに、先進国の人々がお金をかけてリゾートに出かけて求める世界だ。(ただしここはリゾート化していないので誰も来ない。)

 圧倒的な大自然の豊かさの中で、物の豊かさにあこがれる村人達の世界。
この村人達が目を丸くするような便利な物が、たった100円で簡単にいくらでも買える私達の世界の、失ってしまった神のような自然。この2つの世界のはるかな隔たり。

  生まれた時から毎日この海の前にいて、今は何の気なくただ遊びまわる村の子供たち。やがて成長して、他の多くの大人たちのように、ニュージーランドやアメリカの都会に出稼ぎに行くのだろう。そして忙しく働くだろう。そんな時、街でほっと一息つく瞬間。忙しい日々から、ため息とともに心をゆるめる、そんな瞬間。からだに押し寄せるものは何だろう?それは、この青い青い、果てしない海の姿と、波の音と、潮のにおいだろう…。この子供たちがどこかで年老いて死ぬまで、その魂にエネルギーを与え続けるのは、身体に溶け、しみわたっている、宇宙そのもののような、この青い海なんだろう…。



 

サバイイ島5 夢さんは村の子になっちゃった…
 サモアってどこ?


         ★=現在地

             1歳の赤ん坊と日本を脱出するまで



 
1 初めての人の輪も濃い!

 フェアばあちゃんの「超簡単子育て」

3 海辺で(餅つきでなく)

  サモアン・ココアつき

4 「友情とお金は切り離せない」?!


5 知らない人の膝に乗るのが

  サモアのバス

6 同じ空間、
  子供の世界と大人の世界

1 村みんなが「家族」ってこういうこと

2 鶏は家の中、子供は扇風機役


3 川での行水にはコツがある


4 ー海ー 魂の源


5 夢さんは村の子になっちゃった…

6 働き者は損をする…?

7 交通事故のブタは石焼に!

8 200人を家で接待、これ普通。

9 母親である前に人間だから

10 ヒョイ!の眉あげあいさつ

                 大切なあとがき

体験 体験 体験
うっま〜い石焼、
「ウム」料理
チャチャっと編む
ヤシの葉のかご
木の皮の布、
「シアポー」づくり

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