夢さんは村の子に
    なっちゃった…   



マセリナの弟アトニウは一番夢さんの面倒をよく見てくれた。


アトニウ、その妻ティネイが夢さんの父母…?

マセリナと。

  蚊が媒介する熱帯病に、「デング熱」というのがある。3日間高熱がでる。このガウターバイ村は海からの吹きっさらしの風のせいで、夜以外は蚊の心配がない。(寝るときだけは蚊帳がないと大変なことになるけど。)
 ところが、木の皮からつくる布=「シアポー」(別名タパ)を勉強しに滞在したシウツ村の家が、森の中にあった。森の中は蚊が多い。夢さんには虫除けオイルを塗ったくり、長袖を着せた。が、私は、汗びっしょりになって布をゴシゴシなめして、バンバン叩いて、汗によってくる蚊のことをつい忘れた。(このシアポー布づくりは体験サモア文化3ページをどうぞ。)そこでナツ、このデング熱さんにつかまってしまったのだ。村から離れた病院に3日間入院した。トイレに行くのにも立てず、一緒に病院に泊まってくれたマセリナに、とぉ〜っても世話になった。

  で、その間、夢さんは家でめんどうを見てくれた。マセリナの弟アトニウ、その妻ティネイ、この家の子供や村の子供みんなが、とっかえひっかえ、食事を与え着替えをさせオムツを替えて、洗濯をしてくれた。それでも夜は私を恋しがって泣いたらしい。

  ところが…!元気になって家に帰った時!「あぁー、夢さん!」とカノジョを抱きしめようとするこの私に!初めての人に会うような戸惑いの目をむけるではないか、この人!ガアーン!
 そして、アトニウの膝の上ですっかりくつろいでいる。なんとまぁ。1歳児の適応力の速さに、目が点…。すっかりこの村の一員になって、裸足で兄弟を追っかける夢さんだった。
「アワ!」(だめ!)「ウマ!」(終わった!)「マイ!」(貸して!)という単純なサモア語もしゃべるようになった。

 もちろんその後、数分で私にも慣れ直した。 そして旅が終わり日本に帰った後は、どんどんサモア語は忘れ日本語を覚えていってしまった。
 けれど、その後数ヵ月経って、国内の海にキャンプに行った時。海辺で数日暮らす内に、とても久しぶりに、突然夢さんの口から「アワ!」「ウマ!」が飛び出した。海とサモア語は、彼女の体の中でずっと深く結びついていたらしい…。



1歳でもワタチもお手伝いするモン…

すぐ上の兄ちゃんだったファアフェタイと。


この家の子サネレがココナツ葉で
夢さんに帽子をつくった。

13歳のルアリマはどこに行くにも夢さんの世話係。




 

サバイイ島6 働き者は損をする…?
 サモアってどこ?


         ★=現在地

             1歳の赤ん坊と日本を脱出するまで



 
1 初めての人の輪も濃い!

 フェアばあちゃんの「超簡単子育て」

3 海辺で(餅つきでなく)

  サモアン・ココアつき

4 「友情とお金は切り離せない」?!


5 知らない人の膝に乗るのが

  サモアのバス

6 同じ空間、
  子供の世界と大人の世界

1 村みんなが「家族」ってこういうこと

2 鶏は家の中、子供は扇風機役


3 川での行水にはコツがある


4 ー海ー 魂の源


5 夢さんは村の子になっちゃった…


6 働き者は損をする…?

7 交通事故のブタは石焼に!

8 200人を家で接待、これ普通。

9 母親である前に人間だから

10 ヒョイ!の眉あげあいさつ

                 大切なあとがき

体験 体験 体験
うっま〜い石焼、
「ウム」料理
チャチャっと編む
ヤシの葉のかご
木の皮の布、
「シアポー」づくり

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