● バイツプ島  

 

  ー 森の鳥 ー



狙いは高い高い椰子の木の上。


狙いをさだめるヴァイロパ。
ふだん子ども相手にふざけるのが大好きな彼も、
こういう時は気迫のこもった目。

ヴァイロパ(★1)が子どもたちを
トラックに乗せて、
森にココナツ採りに行った帰り。

「アウカーファナマヌ。
(野鳥をしとめよう。)」
 −銃をかまえる。

子どもたちは高い高い椰子の木の
上にいるらしき白い鳥を探す。

「あっ!あそこ!」
「しっ!逃げるでしょ!」

ついさっきまで
キャアキャア騒いでいた
子どもたちも、
この時ばかりは
物音をひそめて神妙、真剣な表情。

しかし。バサササッ!
野鳥はすばやい。
結局この時は逃げられた。

舌打ちをするヴァイロパ。

★1 ヴァイロパ= バイツプ島でのホームスティ父ちゃんタリアの兄。ギャグ好きで、大将肌の頼りになる人。
           森へ畑へといつも親戚中の子どもたちをたくさん引き連れて働きにでている。

「どうもこいつぁ、どっか、ゆがんでる。」
3人かかって、銃の修理と手入れ。
バイツプ島ではタリアが
銃でしとめた野鳩を食べた。

(→バイツプ島実況写真その4 子どもの風景

野生の鳥は、焼くと、
ふくいくとした素晴らしい香りをはなつ。

白い鳥はアキアキ(白アジサシ)、マタプラ、
タヴァケラウ…。
黒い鳥は、ラキア、ゴゴ…。
よく飛んでいる野鳥の名前だけは
色々と教えてもらったが。

ずいぶん遠くに飛ぶのを指して
教えてくれるので、結局よく見えない。
このひとたちの視力のよさには
びっくりする。




● ナヌマンガ島の「鳥網」 − ヘウ(セウ) − ● 

ナヌマンガ島では、銃は禁止。
そのかわり、夕暮れ後、巣に戻った鳥たちを大きな網で捕獲していくのがさかんだ。
鳥網は、中央ツバル語で「セウ」という。
ナヌマンガ島など北部の島々
(→ツバル国内の島々案内では「ヘウ」と呼ぶ。
網の輪っか(わっか)の部分は、よくしなるギエ
(gie)の木の枝で作る。


夕暮れにおおきな鳥網を肩に、
森に鳥獲りにでかける親子を見た。
日本とはあまりに違う風景の
美しさについ見とれて、
「一緒に連れていってくれ。」と
言いそびれた。
その後のナヌマンガ島再訪で、
何度も鳥獲りに行くことになるが
真っ暗闇なので写真には撮っていない。

結婚式の準備のために、
鳥網でたくさんつかまえた
ラキア(黒アジサシ)。
羽をむしっている。




石焼きしたラキア。
香ばしい生き生きとした香り。
歯に気持ちのよいかみごたえ。
森の命が、
口の中でたくましく躍った。





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