● 2013年の暮らしから 写真集 3

 

  ー 小屋、運ぶ ー




「ナツが島に帰ってきた。じゃ、ナツの小屋、取り戻さないとな。」

1年半まえに、みんなで作った小さな小屋は近所ですこぶる人気だった。
(★)
アセナティはぼやいていた。
「みんな手仕事はたいへんだ、って自分では作らないくせに、人が作ると寄ってくるんだから。」
で、あんのじょう、わたしが日本に帰ると、族長のひとりが「あの小屋、昼寝小屋に貸してや」と持って行ってしまった。
小さな小屋はポータブルなのでそんなことになる。

その小屋を、ウィニが族長の家から取り返してきた。おおぜいの近所の若い男たちとともに。
島にたったひとつある、役場のトラクターで。


昼寝をしていると
ポップ音楽を
森に響き渡る大音量で
かけてきて
「まったくこいつら、やれやれ」となる、
この若い男の子たち。

このときは
たのもしかった。
「ああ、ありがとう。
ありがとう。」
こころから、そう思った。


★ 2011年に家族で小屋を作りました。→「幸せの草ぶき小屋」(「2010年、2011年の離島の暮らし ナヌマンガ島の日の出…」中)


編集 2015年12月2日




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