● 2013年の暮らしから 写真集 1

 

ー 草ぶきの家の男の子たち ー


ノフォアイガ(四男)

キアナコの家は草ぶきだ。
大きな草ぶき屋根の下のひとつの部屋に、八人がごろごろ。
わたしもときどき、ごろごろしにゆく。






五男のソアマーローは、じつは父親の姪が
未婚のときに生んだ子だ。
その姪が結婚して家を出たとき
ソアマーローはそのままこの家に残した。
今の母親のキアナコは言う。
「ソアマーローは、わたしの子だよ。」



三男のタウレレ。
ツバルでは
男の子はみんな、
ペニスの包皮を少し切る
割礼をする。
五年前にタウレレが
割礼を受けたとき
撮影させてもらった。
わたしはいつも
タウレレと会うと
そのときの感謝の思いが
よみがえる。



長男の
ファレサモア(右)は
14歳での進学はやめて
島に残って
父親と
釣りや野鳥獲りを
している。

次男のピリタチ(左)は
14歳で試験に落ちて
もう一年勉強した。
15歳の今年、
めでたく合格。
このあとすぐ、他の14歳の島の子たちとともに
船に乗って寄宿学校へ行くのだ。


ピリタチが11歳のときの絵

     




家の裏。
家の隅には、木の長持(ながもち)やタンス代わりの
古いスーツケースが八人分、
ところ狭しと積まれている。



母親のキアナコ。
この家の前を通るといつも、キアナコは
次にふきかえるための草屋根材を縫っていたり
家のジャリ床に敷く椰子の葉の
ござを編んでいたりする。
いつも作業をしながら
「ナツ!ハウラ!(おいで)」と呼んでくる。



父親のセティ。
この日は、魚釣りの網を修理していた。



電気はセティが配線して、
コンセントは家の柱に結びつけて
ときどき、使っている。

編集 2015年11月14日




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