● ナヌマンガ島2008年の日記 4月30日 |
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ー マロソーばあちゃん ー
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その後2日間、わたしはアセナティやマロソーばあちゃんたちと |
午後になって、 日がさしてきた。 マロソーばあちゃんは場所を移動する。 「ここがいい。大きなフェタウの樹だ。 太陽がこう西に行っても、 だいじょうぶ。」 ツバルの太陽は あまりに刺すような光線が からだに危険だ。 日本の真夏の太陽だとて 比べものにならない。 油断すると1時間やそこらで 日射病になる。 ツバル人は森で仕事をするときは いつも後々の太陽の通り道を計算して 日陰をさがす。 ファラの葉をしごく棒をつきさすための 穴を掘る。 「ナツ。 写真なんか撮っとらんで 家に帰って寝ときな。」 |
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その後2日間は、アセナティとマロソーの ふたりだけでファラの葉をしごいた。 そして屋根材は、次なる 「ラウ縫い」の段階に入る。 家に帰って晩ごはんの時。 マロソーはわたしに言った。 「あんたは、ナヌマンガの女になりたいって言ったね。 でも、まだまだだね。 フォラとルタだってまだまだだ。 あのこたちだって、2日で作業に出てこなくなった。 4日間やりとおしたのは あたしとアセナティだけだったよ。」 わたしはその晩、全身をなでながら 悔し涙を流した。 強くなりたい、と思った。 アセナティやマロソーのように、 強くなりたい、と思った。 涙が、身体の下の、マロソーが編んだござに、 つたっていった。 |